【R18:この話は性描写を含みます。閲覧は自己責任でお願いします。苦手な方は引き返してください。大丈夫な方のみどうぞ↓】
雀の涙ほどの経験の中で、行為の最中に自分からねだったことは一度もない。襲ってくる羞恥といたたまれなさに、菜々子はたまらず両手で顔を覆った。
と、ふわりと頭に手が置かれた。
「もう…なんでこんな可愛いかな」
呟いた流夏がよしよしと菜々子の頭を撫でる。数年前は菜々子がよく流夏にしていた行為。
こんなに…安心するんだ。
そうされて初めて、流夏に軽蔑されはしないかと不安だったことに気づく。
「どこ?」
「え?」
「触ってほしいところ。言ってくれなきゃ分かんない」
流夏の熱を帯びた瞳の中に、少しの悪戯っぽさが混じっている。菜々子の心臓はきゅっと甘く疼いた。
こんな表情もするんだ。
「胸…とか…し、下も……っん」
言い終わらないうちに、熱い舌が硬くなった乳首を撫でるように這った。ぞくんと下腹が疼く。菜々子の反応を窺いながらの愛撫はじれったく、解き放たれないままじわじわと熱が増していく。
弱い刺激に、いいかげん我慢も限界に近い。菜々子は無意識に下肢をこすり合わせていた。
「ちゃんと気持ちいい?」
流夏がしこりを咥えたまま見上げてくる。その唇の動きや息遣いに快感を煽られる。
「う…ぁ……いい…けど…っ」
「けど?」
「も…ちょっと、強く…っ」
「ふふ…こう?」
「あっ…!」
流夏が乳首を甘噛みすると、菜々子の腰がビクンと跳ねる。
「すごい…どんどん硬くなってく。それに、身体も汗ばんでて熱い」
「あ…そんな…こと…」
「こっち…触ったら、もっと気持ちいいのかな?」
流夏の手が腹を滑り、内腿を撫でる。そこはすでにとくとくと脈打ち、存分に蜜をたたえていた。
これからもたらされるであろう甘い刺激を期待し、菜々子の蕾はひくんと痙攣する。愛液がおしりの方まで伝い落ちた。
しかし予想に反して、流夏の手は腿を弱く撫でるだけで、一向にそこには触れようとしない。
「あ…あぁ……流夏くん……」
「ん…?」
悩ましげな声を漏らす菜々子。その様子を一瞥した流夏の頬も上気していた。
「も…ダメぇ……はやくココ、弄ってよぉ……」
恥ずかしさをかなぐり捨ててしまうほど、菜々子は限界だった。自ら足を開き、ぐずぐずに蕩けきった中心を惜しげもなく晒す。
ごくり、と流夏が唾を飲み込んだ。
「うわ…やらしい…。ここ、ピッタリ貼り付いて、恥ずかしいとこ全部透けてる」
「や…言わないでぇ…」
流夏が近づいて眺めると、菜々子の下着は、クロッチの部分だけ色が変わるほどぐっしょりと濡れていた。割れ目の先端、すっかり腫れぼったくなったクリトリスは、早く触ってとばかりにひくひくと痙攣している。
「姉ちゃんが、自分からこんなはしたない格好するなんてな」
「あ…」
「ずっと、ココを俺に触ってほしかった?」
流夏の人差し指が、下着の上からつ、と割れ目をなぞる。
「あ…あ…っはうぅ…!」
すでに敏感になりすぎているそこは、微弱な刺激ですら腰が浮くほど気持ちいい。
「もう…やだ……流夏くん、お願いだからいじわるしないでぇ…」
悩ましげに身をくねらせ、涙目で懇願する菜々子に、流夏は眉尻を下げた。
「…ごめんね。菜々姉ちゃんのおねだりが可愛すぎて…俺も理性飛んでるみたい。もっと苛めたいって思っちゃった」
おどけたように笑うと、流夏はなんの前触れもなく下着の間に手を滑り込ませた。
ぐちゅ、という鈍い水音とともに、流夏の指が割れ目に沈み込む。そのまま容赦なく上下に擦り動かされた。
「あ…いあっ…ああ!ふあぁぁっ!!」
菜々子の肢体がビクビクと激しく痙攣する。
「わ…本当にすぐイっちゃった。すご…ここ、熱くてトロトロで、俺の指に吸い付いてくる」
絶頂の余韻で痙攣を繰り返すそこをまじまじと眺め、流夏は左右のひだを広げた。
「綺麗なピンク色…すげーエロい…」
「こ、こら!そんな…見ちゃだめ…っ」
「イったばかりだからかな…中からたくさん汁が溢れてくるよ」
「ちょ…や…もう……」
菜々子は浅い呼吸を繰り返しながら悶えた。流夏が喋るたび、熱い吐息が秘部に直接かかる。達したばかりでは快感が煽られてしかたがない。
流夏は獰猛な、けれど熱に浮かされたような瞳でじっとそこを見つめた。
「…舐めていい?」
許可を求めるというより、有無を言わせず従わせるような口調。
え!?と驚く菜々子の返事を待たず、熱い舌先がねっとりと秘部に絡みついた。
「ん…っ…ふ…あ…っ」
あまりの気持ちよさで菜々子の思考は徐々に蕩け始めていた。弱い力で包み込むように舐られると、じわじわと緩い熱にさいなまれる。
膣口からひだを丁寧に愛撫され、クリトリスをくるくると舌先で転がしては、ちゅ、と吸い付くように口に含まれる。
「…ふふ、やっぱクリが一番イイんだ。こんなに硬くして、充血して真っ赤になってる」
顔をあげた流夏が満足そうに呟く。
「……もう、流夏くん…わざとそんなこと」
「でも辱められた方が感じるんでしょ?イった後なのに、俺に見られてまたこんなに溢れさせて」
流夏は滴る愛液を指で掬い、見せつけるように舐めとった。図星をつかれ、快感からか羞恥からか分からない涙が菜々子の頬を伝う。
今度は流夏はうろたえなかった。
「ねえ…どうしてほしい?菜々姉ちゃんがしてほしいこと、教えて」
流夏の熱っぽい眼差しに、ぞくんと雌の本能が反応する。
「無理…そんなの…」
「お願い、きいてくれるって言ったよね?」
またあの意地悪な
表情。
「…ずるい」
だが、欲に流されたのは菜々子も同じだ。腹をくくるしかない。
「……もう少し…激しく舐めて…。さっきのじゃ…もの足りない…から…っ」
「どこを、どうやって?」
「……っ…その、お汁が出てきてるとこから上に…ぁ…そう、るかく……んっ…上手……。ぬるぬるを…全体に塗るみたいにして…っあ…そ、そこ…ひっぁ…イイ…」
言えたご褒美とばかりに、流夏の舌は菜々子の指示通り、感じるポイントを責める。唾液と愛液の混ざったものがじっとりとシーツに染みをつくる。
じゅる、と音を立てて滴る液を吸われるともう堪らなかった。菜々子はシーツを握りしめ、悩ましげに身をくねらせた。
「あ…あっ……もうだめぇ……欲しい…ナカに、るかく……の…ちょうだい」
はしたなく脚を広げてねだる菜々子に、流夏はぎゅ、と眉をたわめた。
流夏もいい加減限界だ。けれど。
「菜々姉ちゃん、本当にいい?後悔…しない?」
欲望の色を滲ませた眼差しの強さに、クラクラする。
「……し…ない。絶対にこれっきりにする。終わったら、全部忘れるし…流夏くんを縛ったり…しないから。だから…」
はやく欲しい、と切れ切れに喘いだ菜々子に、流夏は一瞬泣きそうな顔をした。ぐ、と唇を引き結び、熱く猛った欲望を菜々子の中に埋める。
「く……!う…わ…すご…」
「あ…そんっな…!激し…!」
挿入するや、容赦なく動き始める流夏に、菜々子は嬌声を上げた。
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音とともにかき混ぜられ、声だけではとても快感を抑えられない。菜々子は流夏の背中に爪を立てた。
「は…ここ触るとナカがすげー締まる」
「ひゃ…あっ!やぁ!やめ…!」
内壁を激しく擦られる合間に、敏感になった花芽にかすめるように触れられると、信じられないほどの快感が走る。
「俺…食べられちゃいそう…ねえ、めちゃくちゃに絡みついてるって…自覚ある?」
「ん!は…あ!…そ、んなの…!分かんな…!あぁ!」
ゴリ、と音がしそうなほど最奥まで突き立てられ、菜々子は悲鳴に近い声を上げた。
さすがに流夏も息が上がっているが、それでも深いところをぐちゅぐちゅと遠慮なしにかき回す。
「あ…あ…!そんなこと……したら…っ」
だめ、という言葉は声にならなかった。甲高い嬌声とともに、菜々子の身体がひときわ大きく痙攣する。直後に流夏が己のモノを引き抜いた。白濁した粘液が菜々子の白い腹に散る。
「は…すげ……こんな、イイんだ…」
セックスって。
乱れた息を整えつつ流夏がポツリと呟く。一方冷静になった菜々子の顔からは、急速に血の気が引いていた。
「う…わごめん、私…!てか流夏くん…」
みなまでは言えなかった。菜々子の方は、決して豊富ではないが経験はある。しかし流夏は。
「そんな世界の終りみたいな顔しないで」
茫然自失の菜々子の腹の上をティッシュでふき取った流夏が、細い身体をそっと抱きしめた。
「後悔してる…?俺は今めちゃくちゃ嬉しいのに」
驚いて目を丸めた菜々子を見て、形の良い唇が不満げに尖る。
「初めてが菜々姉ちゃんで嬉しい。ずっと好きだったから」
呆ける菜々子に構わず、真剣な声は続く。
「好きで好きでしかたなかった。でも、弟としてしか見られてないの、分かってたから、今日まで我慢してた」
耳元で囁かれ、性懲りもなく身体が疼いた。菜々子を抱きしめる腕に力がこもる。
学校ではおそらくモテるはずの流夏が、今まで誰とも付き合わなかったのは。
もしかしなくても…私がいたから?
「俺もう高校生だよ。付き合ったらすっげー大事にして、毎日笑わせてみせるよ。ねえ…俺じゃだめ?」
「……っ……そんな恥ずかしいこと真顔で…」
「少しくらい恥ずかしい台詞でも、女の子は言ってほしいんでしょ?」
アドバイスと称して教えたことを繰り返されれば反論はできない。
「もしかして、好きな子に告白しようと思ってるって…」
「好きな子が菜々姉ちゃんじゃないとは言ってないよね」
真面目に相談に乗ってくれて、デートプランまで一緒に考えてくれて、惚れ直した。
まぶしい笑顔でそんなことを言われれば、抗議する気も失せる。
菜々子は流夏の胸に顔をうずめた。それが照れからだけではないと、もうとっくに気づいていた。
「ずるい、流夏くん。こんなことしちゃったら、もう弟とは思えないよ」
「弟じゃなくなってもいいって思ったから、俺のこと受け入れたんじゃないの?」
かっと頬を染めた菜々子を、流夏は満足げに見つめ、抱きしめる腕に力をこめる。
意地悪だ、と思った。本心を見抜かれたようでいたたまれない。流夏はもう、菜々子の後ろをついて歩いていた子どもではないのだ。
「少しでも可能性があるなら考えてみて。どうしてもムリなら、悔しいけど諦める。あ、新しく好きな子ができたら、姉ちゃんに教えてもらったデートに誘ってみようかな」
「っだめ…!」
とっさに飛び出した本音は隠しようがなかった。驚いた流夏が目を丸くする。
先刻まで完全に対象外だった人に、こんなに急速に惹かれている。そのことに菜々子自身も驚いていた。
「…っ冗談だよ。そんな…本気で焦った顔されると、俺期待するよ?」
先ほどの強気が一転、頬を赤らめる流夏は、年相応で初々しい。こんなに可愛らしい顔で惹きつけておいて、油断したところを意地悪に翻弄するのはもしかしてわざとだろうか。
だったら。
「いいよ、期待しても」
精一杯大人ぶった笑顔でそう返すけれど、わずかに火照った頬は隠しきれていなかったらしい。流夏は堪え切れないといった風に口元を抑えた。
「ふうん、それってつまり?」
ああ、このニヤニヤ笑いは私が好きって言うまで許してくれなさそうだな。
弟じゃない流夏くんが見られるならそれもいいかもしれない。そう思いながら、菜々子は、今度は自分から、愛しい人の首に腕を絡めた。
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