幼馴染



【R18:この話は性描写を含みます。閲覧は自己責任でお願いします。苦手な方は引き返してください。大丈夫な方のみどうぞ↓】

















 人には、それぞれ自分に合った世界があると思う。

  昔から、幼馴染の清瀬(きよせ)(あおい)のまわりには、人が絶えなかった。
  明るくてポジティブ。冗談も飛ばせて、思いやりがある。 勉強も運動もできて、ルックスもいい。
  近所のおばちゃん達が、あんなによくできた男の子は珍しい、と噂してたのを聞いたことがある。
 
 仲良くできたのは小学校の四年生くらいまでだった。
  自分の器量を自覚するようになると、葵のようなキラキラした人種とは、自然と距離を置くようになった。
  自分のことを地味だとは思わないけれど、葵のまわりに集まる女の子たちほど、煌びやかでもない。
  言ってみれば、フツウ。並。偏差値で言うなら50そこそこ。


  だから、この恋心は、ずっと心にしまっておくんだと思っていた。






「ん…あっ…」
「しっ、声抑えて」


  大きな手で口を塞がれた。
 昔つないだときは、私と同じくらい小さくて、柔らかかった手。


明里(あかり)、本当に初めて?ここ、すごいことになってるけど」


  葵が声を殺して笑った。
  恥ずかしさで、かあ、と顔が熱くなる。
 でもそれ以上に、背中に電気が走るような快感が心地よくて、やめてほしくない。

 スカートの中で蠢く手が、器用に下着を下ろし、敏感な部分に触れる。


  こういうこと、慣れてるのかな。
  きっと葵なら、女の子には不自由しない。

  その他大勢の一人だと思うと複雑な気分だったが、好きな人のそういう一面には興味があった。



「うまい…ね…」
「誰と比べて?」
「そ…いうんじゃ…あ…っ」


 きゅっとクリトリスの先端をつままれ、下腹の奥が痙攣した。








  図書委員になったのは、葵が時々図書室に来るという噂を聞いたからだった。
  幼馴染の知らない一面を見てみたくて、私は迷わず立候補した。
  けれど、現実はそううまくはいかない。 当番の日に、葵が来たことは一度もなかった。 その日までは。




  日が落ちるのが大分早くなった、夕暮れ。
  施錠前に、残っている生徒がいないか、チェックしていたときのことだ。


「……っふ……っ」


 人の声が聞こえた気がして書棚の奥を覗き、私は目を疑った。
  壁にしなだれかかるように座る女子生徒と、それに覆いかぶさる男子生徒。 女子生徒のスカートは捲り上げられ、白い太ももが露出している。



  う…わ、どうしよう…。



  目の当たりにした経験は、もちろんない。
 興味本位で動画を見たことくらいはあるが、しょせん映像。実物をみるのとは違う。


 思わず上げそうになった声を、間一髪で飲み込んだ。そのおかげか、 気づかれてはいないようだ。
 女子生徒の下着は脱がされ、くしゃくしゃになって足元に落ちている。
  ここが公共の場であることを忘れているのだろうか、濃厚な口づけをする男子生徒は、女子生徒の肉付きの良い足をM字に開かせた。



  …そんなこと、本当にするんだ…。


  書棚の影から情事を覗き見る私の喉が、ごくりと鳴る。
  男子生徒は、女子生徒の股間に顔をくっつけるような格好になった。 ほどなくして、じゅる、ぐちゅ、と水音が聞こえてくる。
  あんなのは映像の中だけのもので、見る方の快感を煽るためのパフォーマンスだと思っていた。


  身体中が心臓になったみたい。

  ドキドキする……。

  いけないと思うのに、足が動かない。
  最後までしてしまうんだろうか。こんな、いつ誰に見られるかも分からない状況で。


  閉館20分前。さっき見てまわった限りでは、他に人はいなかった。


  少しの週巡の後、私は自分のスカートのウエストに、手を滑り込ませた。

  パンツの中を探り、そっと割れ目に指を当てる。そこはすでに柔らかくほぐれ、潤っていた。
  女子生徒の唇からかすかに漏れる喘ぎ声を聞きながら、私は密かに自らの一番気持ち良いところをこすった。


  他人の恥ずかしい姿を覗き見ながらするオナニーは、堪らない快感だった。
  その背徳感に溺れてしまっていたのだろう。 私は、背後から近づいてくる足音に気がつかなかった。



「すみません、返却したいんですけど、まだ大丈夫ですか?」



  飛び上がって振り向くと、目を丸くした葵が立っていた。










「びっくりしたよ。昔から大人しくて、虫も殺さないような顔してた明里が」


  片方の手をシャツの裾から、もう片方をスカートの裾から差し込んだ葵は、巧みに私を煽る。


「人のを見ながら抜くような変態だったなんて」


  耳元で囁かれた低い声に、私は身を震わせた。
 葵が声を出さずに笑う。


「この濡れ方、俺が触ったからだけじゃないよね?学校の図書室で他人のセックス盗み見て、そんなに興奮したんだ?」


  乳房を包むように揉みしだかれた。人差し指と中指の間に乳首を挟まれ、くにくにと刺激される。


「ん…!んっ…っは…」


  葵の愛撫は、自分でするより何十倍も気持ちよかった。
 緩やかで、足元からじわじわと蕩かされそうで、油断すれば声を漏らしそうになる。


「エロい顔。そんなに気持ちいい?ここ、コリコリになってる」


  目尻から零れた涙を舐めとられた。
  エロいのは葵だ。
 そんな、獣みたいな目で見つめられて、興奮するなというほうが無理。


「物欲しそうだね。そろそろ足りなくなってきた?」


  クリトリスの周りをなぞっていた指が、膣口に移動した。
 溢れる愛液を塗りこめるように、3本の指全体を使って、前後に擦られる。


「ーーっ!!あっ!…んんっ!」


  強い快感に立っていられなくなった私は、壁伝いにズルズルと崩れ落ちた。


「明里、丸見え」


  気づけばM字開脚で座り込んでいた。
 下着はとっくに脱がされているので、恥ずかしい部分をじかに葵に晒していることになる。
  じっと注がれる視線。
 足の間に葵の身体があるので、閉じることもできない。



「いい眺め。もっとよく見せてよ」
「…あ…ぅ…」


  秘部を弄る手を止めないまま、葵はいたずらっぽく微笑んだ。
  後から後から溢れてくる蜜で、私のそこはぐずぐずに蕩けてしまっている。

  それでも葵の愛撫は緩やかなままで、それが、だんだん物足りなくなってくる。

  気がつくと、蠢く指に秘部を押し付けるように、腰を動かしていた。


「ここ、ひくついてる。もっと激しくしてほしい?」


 そう言った葵も、息が上がっていた。
  食べられそうなその表情に、ぞくりと快感を覚えながら、私は必死でこくこくと首を縦に振る。


「ちゃんと口で言って」
「あ…っ」


  膨れ上がって充血しているであろうクリトリスをつままれ、耐えきれず声が漏れる。


「大丈夫。さっきの人たち、もう帰ったよ」


  その言葉が引き金になった。


「し、して。もっと激しく…」
「なんで?」
「……っ、葵が、触ったとこ、切ない、から。も…我慢できないから…おねが…」



  お願い、と言おうとした言葉は葵の唇に飲み込まれた。
  タガが外れたような激しい口づけに、子宮の奥が甘く疼く。


「は…明里、おんなじことしよっか」
「え?」


  葵は、零れる愛液を啜るように、私の秘部に吸い付いた。
 ひだを丁寧に舐め上げられ、クリトリスを吸われて。


「あっ…あんっあああっ!」


  あそこと腰が大きく痙攣し、私は絶頂を迎えた。


 荒い息を整えていると、葵がそっと抱きしめてくれる。


「後悔してる?」


  すぐさまかぶりを振る。後悔なんてしない。
 ずっと手が届かなかった葵と、偶然でも甘い時間を過ごせた。
 私みたいな地味な女に、葵が欲情した。たとえ一回きりでも。





「俺のこと好き?」
「え!?」



 ポツリと呟かれて、嫌な汗が噴き出す。

  ばれてた…?

  焦り半分恥ずかしさ半分で、葵の顔を見られない。
 隠さなければと思っていたし、隠せている気になっていたのに。



「…好き…ずっと、小学校のときから。でも、葵だけがどんどんかっこ良くなって、いつも可愛い子といるし、私じゃ釣り合わないし。だったら、葵よりも好きになれる人が見つかるまで、隠してようと思って」



  どうせもう知られている。そう思ったら、気持ちが溢れた。

  葵以上に好きになれる人は現れないかもしれない。
 それでも、気持ちを伝えて引かれるのだけは避けたかった。


「はー…良かった。こんなん他の男に見せられるかよ」
「え……」
「明日から学校で避けるの禁止。あと、変な気後れするのもなし。昔みたいに、勝手に俺の部屋に上がってきたりしていいから」



  呆けて見上げる私に、葵はいたずらっぽく笑った。


「そのかわり、一人で来たら今みたいなことするけど、いい?」










inserted by FC2 system